2010年の読書欲をかきたてられた 『空気を読むな、本を読め。』/小飼弾

サブタイトルには「小飼弾の頭が強くなる読書法」とありますが、よくある読書のノウハウをつめこんだ教則本的なものではなく、むしろ小飼さんの自伝的要素の強い本だと思います。本書でも言っているように、小飼さんにとって読書は「水」のようなもので、ほとんど生活に溶け込んでしまっているから、読書論=人生論になっちゃうんでしょうね。まるで「いいか、本ってのはこう読むんだぜ?」と氏が目の前で嬉しそうに語っているようで、読了後は思わずこっちも読書をしたくてたまらなくなる、そんな本です。
第1章 本を読め。人生は変わる
第2章 本を読め。答えは見つかる
第3章 手で読め。そして脳で読め
第4章 本を読んだら「自分」を読め
第5章 本は安く買え。そして高く飛べ
第6章 エロ本も読め。想像力を養え
第7章 マンガを読めば「世界」がわかる
導入部分は「なぜ本を読んだほうがよいのか」について、データなどをひっぱりながら説明していますが、中盤からは、小飼さんが幼年期からどのように本と関わってきたか、またそうならざるを得なかった家庭の事情などを背景に、「ハードカバーはいい迷惑だ」「エロ本も読め」「ベストセラーの効果的な読み方」など、小飼節全開の痛快な切り口で、氏の読書観を展開しています。
■テレビを見るな、本を読め
有限である人生において、節約すべきはお金より時間。テレビや新聞を見ることは受動的な情報収集であり、時間効率が悪い。そんなもの捨ててしまったほうがいい。またここで紹介されている「テレビ時給換算法」は、テレビのために無駄になった時間をお金に換算するもので、俺の場合は年間で「時給1000円(仮)×テレビ視聴2時間/日×365日=73万円」の大損をしていることになります。ひえー。
■本の価値について
出版不況の元凶は、人々が「本がなくても他に娯楽はいくらでもあるし、死にはしない」ということに気づいたことである。でも一方で、Webはタダだけど本を出すにはお金がかかるので、情報の質が問われる。結果として、本を読むほうが効率よく良質な情報を吸収でき、そこに本の価値がある、と。
■本はコンテキストを理解して初めて読み込める
古典のすすめの箇所に書いてあったんですが、やっぱり、その本が書かれた当時の時代背景なんかを知らないと内容は理解できないんですよね。当たり前なんだけど、俺は歴史嫌いなので、ここはちょっと勉強せねば。
■ノンフィクションは速く読め
ノンフィクションを読むというのは、自分の知らなかった情報を拾っていくことだから、既知の情報は読む必要がない。だから目次で内容をまずしっかり把握して、必要な部分だけ読んでいく。たくさん読んで知っていることが増えれば、それだけ今後の読書もスピードアップしていく。
■読んだら必ずアウトプット、そして「忘れる」
本書で繰り返し述べられていることですが、「情報はアウトプットしなければ血肉にならない」。ブログでも紙のメモでもなんでもいいから、とにかく形にしてみる。そうやって、自分が何を得たかを客観的に確認する作業が超重要。そしたら安心して忘れられるし、脳の容量を節約できる。
■付箋は貼るな。それはクソ本だ
まさに付箋を貼りながら読んでいたのでドキっとしたのですが、付箋を貼ると読書ではなく「解読」になってしまい、また手間もかかってサクサク読めない。よい本は目次を見ればそれが付箋代わりになっているもの。ただし、あとで書評を書くなどの目的があるときは別。
■読書に目的を持たない
読書は遊びであり、「読まなければいけない」ものではない。強制になってしまうと、味気ない読書になってしまう。引きこもって本に集中し、その世界にどっぷりはまり込むべし。
■ベストセラーは「自分の意見と合わないもの」を読め
自分と真逆の意見を知ることで、自分の意見の根拠を見つめなおす機会にもなるし、「こういう考えもあったのか」と新しい気づきを得ることもできる。「右翼のことを研究していない左翼は右翼を語るべきではない」というのはわかりやすいなー。
■ハードカバーはいい迷惑だ
これは俺もいつも思ってたので。読みにくいし高いしかさばるし、本をコレクションしたい人にはいいけれど、そうじゃない人には買う理由がない。
と、ここまで書いてみたんだけど、全部見事に目次に書いてあるんですよね(笑)。確かにこうやってアウトプットしてさえいれば、付箋を貼る必要はないなあ。かなり読書スピードが遅い俺でも5時間足らずで読めたので、かなり読みやすく工夫された構成になっていると思います。
とにかく読書欲を喚起される本なので、2010年の読書生活を気持ちよくスタートしたい方は、まず本書の"弾言"を拝聴されてみてはいかがでしょうか。
氏の教えに従い、Amazonの古本で安く買いました


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